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保存版! 髪トリビア11選[歴史編]

文化や歴史などにさまざまな影響を与えてきた髪。そこで、3テーマ別に、“髪”にまつわるトリビアをご紹介!

“ポンパドゥール”の生みの親は元祖・インフルエンサーだった!

前髪をふんわりアップし、高い位置で留める「ポンパドゥール」。その生みの親が、美貌と知性で平民からルイ15世の愛人の座をつかんだポンパドゥール夫人(1721-1764)です。現代のインフルエンサー同様、当時も真似されることが一種のステイタスでした。彼女独自のスタイルは、貴族の女性たちに支持され、一世を風靡。今なお愛され続けています。(堀江さん)

マリー・アントワネットは髪型で自分らしさを表現した先駆け

フランス国王ルイ16世の王妃、マリー・アントワネット(1755-1793)は、それまで権力や身分の象徴だった髪型で、「自分らしさ」を表現した最初のセレブリティ。

戦争に勝利した仏の軍艦「ベル・プル(美しき雌鶏)」のカツラ。アート作品のよう!

王妃になった20歳頃、お抱えの天才髪結いが考案した「プーフ(「膨らみ」という意味)」という斬新な髪型が大ブームに!髪をアップにしてクッションを入れボリュームを出すプーフを、リボンや宝石で飾るだけでは飽き足らず、戦争で勝利した軍艦や庭園の模型などをカツラにして地毛と合体させた奇抜な髪型で、さらなる流行を生み出しました。

薄いトップとサイドを短くして逆毛で膨らませ、後ろは自然に垂らした「子ども風」ヘア。

出産後は抜け毛に悩まされるようになるも、縦ロールを垂らすナチュラルな「子ども風」ヘアに挑戦。新たなトレンドを送り出し、ファッションアイコンとして君臨し続けたのです。(堀江さん)

江戸時代に生まれた日本髪はプロフィール代わり!?

平安時代以来、日本女性は髪を垂らす垂髪(すいはつ)が一般的でした。明暦の大火(1657)をきっかけに、避難の邪魔にならないよう日本髪を結うようになったのです。

男装の遊女・勝山の髪型「勝山髷」。粋で上品なため、武家の奥方の髪型に昇格した。

文化文政期になると、髪結いの値段が下がり、技巧を凝らした髪型を庶民も髪結いに頼めるように。とはいえこの時代、髪型は純粋なおしゃれというより、自分のプロフィールを表すもの。未婚女性は島田髷(しまだまげ)、武家の奥方は勝山髷(かつやままげ)など、身分や職業で髪型が決められていました。

朝鮮の貴族である両班(やんばん)の夫人などが儀式に出席する際の髪型「オヨモリ」。大きく編んだカツラをのせ、豪華な装飾品をあしらった。

お隣の韓国では身分が高いほど髪型は派手になり、カツラの重さで首や肩に深刻な症状が出かねないほどだったとか。(堀江さん)

教えてくれたのは・・・

堀江宏樹さん
作家、歴史エッセイスト。古今東西の恋愛・生活文化に造詣が深く、多数のメディアで執筆。著書に『愛と欲望の世界史』、『ときめく源氏物語』(共に王様文庫・三笠書房)など。

 

 

イラスト/しのはらえこ 取材・文/伊藤彩子

 

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